スマホ本体・基本機能

子どものスマホデビューで用意する10項目 公的調査のデータから持たせ方を決める

子どもにスマートフォンを持たせるかどうかを考えるとき、判断材料になるのは周囲の家庭の話よりも、全国規模で継続的に行われている調査の数字です。こども家庭庁が実施している青少年のインターネット利用環境実態調査には、年齢別の利用率、機器の専用率、平均利用時間、保護者の管理方法まで具体的な数値が並んでいます。結論からいうと、9〜10歳がスマートフォンの持ち方が変わる境目で、令和7年度調査では9歳で子ども専用の割合が保護者との共用を上回り、10歳では専用が66.4%になります。この記事では令和7年度調査(令和8年3月公表)の数値を手がかりに、何歳からどう持たせるかを整理し、デビュー時にそろえる10項目を比較します。

この記事でわかること

公的調査が示す年齢別のインターネット利用率と、スマートフォンの専用率が逆転する年齢/平均利用時間の実態/デビュー時にそろえる10項目と費用の目安/フィルタリングの認知率と実施率のずれ/親子でルールの認識がずれていくという調査結果と、その対処

公的調査で見る子どものインターネット利用

ここで扱う数値は、こども家庭庁が令和7年11月1日から12月18日にかけて実施した令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査の結果です。前年度の令和6年度調査と比べられる項目は、差も書き添えます。満10歳から満17歳を青少年、0歳から満9歳を低年齢層の子供として調査されています。この調査は青少年インターネット環境整備法(平成21年4月1日施行)の施行状況を確認するために平成21年度から続いており、令和5年度からこども家庭庁が実施しています。

利用率は10代でほぼ全員

区分 インターネット利用率
青少年(満10歳〜満17歳)全体 99.0%
小学生(10歳以上) 98.5%
中学生 99.2%
高校生 99.3%
低年齢層の子供(0歳〜満9歳・保護者回答) 75.2%

低年齢層は前年度の78.5%から75.2%に下がっていますが、年齢が上がるにつれて利用率は上がり、5歳で79.6%、8歳で91.3%、9歳で94.0%です。青少年は10〜17歳のどの年齢でも97.9%以上が利用しています。つまり「持たせるかどうか」ではなく「どの機器で、どう使わせるか」がすでに論点になっているということです。

使っている機器はスマートフォンだけではない

青少年が利用する機器 割合
スマートフォン 79.2%
学校から配布・指定されたパソコンやタブレット等(GIGA端末) 73.4%
ゲーム機 66.9%
テレビ(地上波・BS等の視聴は含まない) 66.6%
自宅用のパソコンやタブレット等 43.0%

スマートフォンの利用率は前年度の76.8%から79.2%に上がっていますが、対策をスマートフォンだけで考えても足りません。ゲーム機の利用率が66.9%に達している以上、通信機能のある据置型ゲーム機や携帯ゲーム機の設定も同時に見直す必要があります。ゲーム機の選び方は据え置き型ゲーム機の選び方、初めての1台に迷ったらで扱っています。

9歳で専用と共用が逆転し、10歳で6割を超える

調査では、機器を子ども専用で使っているか、保護者と共用しているかも聞いています。スマートフォンについては、低年齢層では67.4%が保護者と共用です。年齢別にみると、8歳では専用26.8%に対し共用が56.3%ですが、9歳で専用49.0%が共用37.0%を上回り、10歳では専用が66.4%、11歳では74.2%になります。スマートフォンを使っている青少年では、小学生の74.9%、中学生の95.4%、高校生の99.1%が自分専用で使っています。学校種が上がるほど専用率は高くなります。

この数字は、スマートフォンの持たせ方を考えるうえで実用的な目安になります。小学校中学年から高学年が、共用から専用へ切り替わる時期だということです。いきなり専用機を渡すのではなく、共用の期間を設けて使い方を確認してから専用に移す、という段階を踏む家庭が多いことが読み取れます。

平均利用時間は約5時間

区分 1日の平均利用時間 前年度比
青少年(満10歳〜満17歳) 約5時間27分(326.6分) 約24分増(前年度302.3分)
低年齢層の子供(0歳〜満9歳) 約2時間18分(137.7分) 約9分増(前年度129.2分)

青少年の目的別では趣味・娯楽が最も長く約3時間1分(180.9分)、低年齢層では約1時間48分(107.6分)です。利用時間は年齢とともに増える傾向にあります。時間そのものを一律に制限するより、何にどれだけ使っているかを親子で把握するほうが、話し合いの糸口になります。

令和7年度調査の主な項目をまとめて見る

ここまでの数字はすべて、こども家庭庁が令和8年3月に公表した令和7年度調査の報告書本文で確認したものです。記事の判断に関わる項目を一覧にしておきます。

令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査の主な数字
図 令和7年度調査で見る青少年のネット利用(こども家庭庁の報告書をもとにガジェット広場作成)
項目(令和7年度調査) 数値
インターネットを利用している青少年(本人回答) 99.0%
インターネットを利用している低年齢層のこども(保護者回答) 75.2%(2歳63.5%、5歳79.6%、8歳91.3%)
青少年が使っている機器 スマートフォン79.2%、学校から配布・指定された端末73.4%、ゲーム機66.9%
スマートフォンを自分専用で使っている割合 小学生74.9%、中学生95.4%、高校生99.1%
平日のインターネット利用時間(利用機器の合計の平均) 326.6分(約5時間27分)。3時間以上は76.0%
家庭のルールを「決めている」青少年 67.2%(小学生83.8%、中学生74.5%、高校生44.3%)
フィルタリングを「知っていた」保護者 青少年の保護者62.4%、低年齢層のこどもの保護者46.0%
スマートフォンを使う子の保護者の取組 管理している(計)85.8%、フィルタリングを使っている49.2%

出典 こども家庭庁 成育局安全対策課「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書」(令和8年3月)https://www.cfa.go.jp/policies/youth-kankyou/internet_research/results-etc/r07 。2026年10月4日に報告書本文で確認。集計の対象や設問の基準は項目ごとに違うため、前年度の数字と比べるときは報告書の注記を確認してください。

前年度の令和6年度調査と比べても、考え方は変わりません。スマートフォンを自分専用で使う割合は小学生で7割台、中学生で9割台に上がり、家庭のルールを決めている割合は高校生で半分を切ります。小学校中学年から高学年にかけて専用機へ移り、学校が上がるほどルールが形だけになりやすいという流れは、令和7年度の数字でもはっきり出ています。

選定基準 10項目をどう選んだか

子どもに持たせるときに必要なものは、端末以外にもあります。この記事の10項目は、次の3つの観点から選びました。

観点 内容 該当する項目の例
トラブルが起きてからでは間に合わないもの 持たせる前、または渡した当日に設定しておかないと意味がないもの フィルタリング、利用時間の管理、課金の制限
公的な調査で課題が示されているもの 調査結果で実施率が低い、または親子の認識にずれがあると指摘されているもの 家庭内のルール、フィルタリングの設定
物理的に必要になるもの 使い始めてすぐ必要になり、なければ日常が回らないもの ケース、保護フィルム、充電手段、連絡手段

順番も意味を持たせています。設定に関わるものを先に、物として買うものを後に置きました。ケースや充電器は後からでも買えますが、フィルタリングや課金の制限は、渡したあとに問題が起きてから設定しても遅いためです。

デビュー時にそろえる10項目

端末そのものだけを用意して渡すと、破損・紛失・使いすぎのいずれかで早々につまずきます。優先度の高い順に10項目を整理しました。優先度は、なくて困る度合いと、後から用意しづらい度合いで判断しています。

優先度 項目 費用の目安 後回しにするとどうなるか
高 フィルタリングの設定 無料〜月数百円 年齢に合わない内容に触れる。あとから設定すると子どもの反発が強い
高 利用時間・アプリの管理設定 無料 使いすぎの歯止めがなくなる
高 家庭のルールの取り決め 無料 叱る基準が曖昧になり衝突が増える
高 ケースと保護フィルム 2千〜5千円 落下で画面が割れる。修理費が端末代に近づくことも
中 端末と料金プランの選定 2万〜8万円+月額 通信量が足りずに追加課金、または過剰な契約になる
中 位置情報の共有設定 無料 登下校時の居場所が分からない
中 紛失・盗難時の備え 無料 端末を失った際に個人情報が守れない
中 パスワードとアカウントの管理 無料〜年5千円 使い回しによる不正利用
低 充電環境の整備 2千〜5千円 寝室に持ち込んだまま夜更かしする
低 通知と集中の設定 無料 通知に反応し続けて勉強が中断される

上位4つはいずれも無料か数千円で、しかも渡す前でなければ設定しづらいものです。端末の機種選びより先に、この4つを決めておくほうが結果的に楽になります。

フィルタリングの設定

青少年インターネット環境整備法により、携帯電話事業者には青少年が使用する端末についてフィルタリングサービスを提供することなどが求められています。契約時に年齢の確認と説明を受けるのはこのためです。調査結果では、青少年の保護者のフィルタリング認知は「知っていた」が62.4%(「なんとなく知っていた」を合わせると95.7%)、低年齢層の子供の保護者では46.0%でした。一方で、スマートフォンを使う子の保護者で実際にフィルタリングを使っているのは49.2%です。知っている人の割合と、実際に使っている人の割合には開きがあります。

フィルタリングには通信事業者が提供するものと、端末のOSに組み込まれた機能があります。両者は役割が異なり、前者は通信経路で不適切なサイトを遮断し、後者はアプリの利用制限や時間制限を扱います。併用が基本です。設定の考え方は子供向けペアレンタルコントロール設定の考え方で詳しく扱っています。

利用時間・アプリの管理設定

調査によれば、子どもがスマートフォンを使う青少年の保護者の85.8%が何らかの方法でネット利用を管理しています。実施内容ではフィルタリングが49.2%、対象年齢にあったサービスやアプリを使わせるという方法も挙がっています。低年齢層の子供の保護者では96.8%が管理しており、目の前(画面が見える距離)で使わせている(58.6%)、利用してもよい時間や場所を決めている(57.0%)といった方法が上位です。

OSの標準機能で、1日の利用時間の上限、アプリごとの使用時間、就寝時間帯の利用停止を設定できます。アプリの購入や課金に承認を必要とする設定も、あとからのトラブルを防ぐうえで有効です。

家庭のルールの取り決め

低年齢層の子供の保護者のうち79.5%が「ルールを決めている」と回答しています。ただし調査では、青少年の保護者で小学生88.4%、中学生81.9%、高校生58.3%と、学校種が上がるにつれて「ルールを決めている」が減ることも示されています。これについては後の章で詳しく触れます。

ケースと保護フィルム

子どもの使用では落下の頻度が上がります。衝撃を吸収する構造のケースと、割れにくい保護フィルムの組み合わせが基本です。ケースの種類ごとの特徴はスマホケースの種類と選び方ガイド、フィルムの選び分けはスマホの画面保護フィルムの種類と選び方にまとめています。画面が割れた場合の判断基準はスマホの画面が割れたら修理か買い替えか、判断基準で扱っています。

端末と料金プランの選定

最初の1台に高価な最新機種を選ぶ必然性はありません。動画視聴と通話、学習アプリが中心なら、価格を抑えた機種でも支障は出にくいでしょう。中古端末という選択肢もありますが、バッテリーの状態やネットワーク利用制限の有無を確認する必要があります。選び方は格安スマホ(SIMフリー端末)の選び方と中古スマホ購入時の注意点とチェックリストが参考になります。料金プランについては格安SIMとキャリア回線、どちらを選ぶべきか徹底比較で比較しています。ストレージ容量は写真と動画の扱いで変わるため、スマホのストレージ容量、64GBと128GBどちらを選ぶべきかもあわせて確認してください。

小学校低学年までであれば、通話と位置確認に機能を絞った端末という選択肢もあります。アプリやブラウザが使えないぶん、管理の手間が減ります。年齢別の考え方はキッズ携帯・見守りスマホの選び方、年齢別のポイントにまとめました。防犯ブザーやGPSトラッカーとの組み合わせは防犯ブザーとGPSトラッカーの選び方 子供や高齢者の見守りにで扱っています。

位置情報の共有設定

OSの標準機能や地図アプリで、家族間の位置共有ができます。導入時に本人に説明し、何のために共有するのかを合意しておくことが重要です。黙って設定すると、あとで発覚したときに信頼を損ないます。仕組みはスマホの初期設定と使いながら見直す設定まとめで解説しています。

紛失・盗難時の備え

画面ロックの設定と、端末を探す機能の有効化は渡す前に済ませます。紛失時の初動は時間との勝負になるため、手順を保護者が把握しておいてください。具体的な流れや遠隔操作でできることの範囲はスマホを紛失・盗難されたときにまずやるべきことにまとめています。

パスワードとアカウントの管理

子どものアカウントは保護者が管理する形で始め、年齢に応じて本人に移していくのが現実的です。同じパスワードの使い回しは避けるべきですが、覚えきれない数になるため管理の仕組みが必要になります。方法はパスワード管理アプリの選び方、比較のポイントで扱っています。外出先での通信については公衆Wi-Fi利用時に注意したいセキュリティリスクも一度目を通しておくとよいでしょう。

充電環境の整備

充電場所をリビングに固定するという運用は、多くの家庭で使われている方法です。就寝時に手元に置かない仕組みとして機能します。充電器とケーブルをリビングに置き、寝室には持ち込まないという形にすれば、ルールを言葉で守らせるより摩擦が少なくなります。

通知と集中の設定

通知が届くたびに手が伸びる状態では、勉強も睡眠も細切れになります。OSの集中モードや通知のグループ化を使えば、時間帯によって通知を止められます。通知や集中モードの設定を含めた初期設定の見直し方はスマホの初期設定と使いながら見直す設定まとめにまとめています。

年齢別の持たせ方の段階

調査の数値をもとに、年齢ごとの標準的な持たせ方を段階として整理しました。同年齢の家庭がどうしているかの目安として使えます。

時期 調査から読み取れる状況 この時期の持たせ方
未就学〜小学校低学年 5歳で79.6%、8歳で91.3%が利用。スマートフォンは67.4%が保護者と共用。スマートフォンを使う子の保護者の96.8%が何らかの管理をしている 親の端末を目の前で使わせる。時間と場所を決める
小学校中学年(9〜10歳) 9歳で94.0%が利用。スマートフォンは9歳で専用(49.0%)が共用(37.0%)を上回り、10歳は専用66.4% 共用から専用への移行期。フィルタリングと時間制限を設定したうえで渡す
小学校高学年 スマートフォンを使う小学生(10歳以上)の74.9%が子ども専用 専用機が標準的になる。ルールを文章にして共有する
中学生 99.2%が利用。スマートフォンの専用率は95.4%。ルールを決めている保護者は81.9% 制限を段階的に緩めつつ、見直しの機会を定期的に設ける
高校生 99.3%が利用。スマートフォンの専用率は99.1%。ルールを決めている保護者は58.3% 本人の自律に移す。相談できる関係を保つことが中心になる

この表で重要なのは、制限は一度決めたら固定するものではなく、年齢に応じて緩めていく前提のものだという点です。中学生に小学生と同じ制限をかけ続けると、隠れて使う方向に向かいます。

親子でルールの認識がずれていくという問題

この調査でとくに注目したいのが、家庭のルールに関する結果です。低年齢層の子供の保護者では79.5%が「ルールを決めている」と回答していますが、青少年の保護者では学校種が上がるにつれて「ルールを決めている」が減ります。さらに調査では、青少年本人と保護者の間でルールの有無に関する認識のギャップが拡大する傾向があることが示されています。「ルールを決めている」と答えた割合は、小学生では青少年83.8%・保護者88.4%で差が4.6ポイント、中学生では74.5%・81.9%で7.4ポイント、高校生では44.3%・58.3%で14.0ポイントです。

これは、保護者は決めたつもりでいるのに子どもは決めた覚えがない、という状態が実際に起きているということです。原因として考えられるのは、ルールが口頭で伝えられただけで記録に残っていないこと、決めた時期が古く実態と合わなくなっていること、そして子どもの成長に合わせた見直しが行われていないことです。

ずれを防ぐための実務的な方法

紙かメモアプリにルールを書き出して、双方が見られる場所に置く/決めた日付を残し、学年が変わるタイミングで見直す/守れなかったときの扱いも一緒に決めておく/制限を緩める条件を先に決めておく(「テストが終わったら」ではなく「中学2年になったら就寝時間の制限を30分後ろにする」のように具体化する)

調査では、青少年がインターネットに関する啓発や学習を受けた経験は85.2%で、その機会は学校・幼稚園・保育園等が96.5%と大半を占めます。学校で一定の教育が行われている前提に立てば、家庭で担うべきなのは知識の伝達よりも、我が家の運用を決めて更新することだといえます。保護者自身が啓発や学習を受けた経験は、青少年の保護者で73.8%でした。

スマホの外側で必要になること

子どもが触れる機器は、スマートフォンだけではありません。同じ設定をゲーム機や他の端末にも適用しないと、抜け道が残ります。

対象 やること 整理した記事
ゲーム機 課金の制限と利用時間の設定。無断課金の相談は年間4,000件規模で寄せられている 家庭のゲーム環境の整え方 機器10分野の比較と無断課金を防ぐ設定
家庭全体の備え フィッシングや不正ログインへの対策。家族の端末をまとめて見直す 家庭のセキュリティ対策 10大脅威2026を30分・今週・習慣の3段階に置き換える

公的調査では、青少年の多くがゲーム機でもインターネットを利用しています。スマートフォンだけを管理しても、ゲーム機が抜けていれば同じことが起きます。渡す機器を一通り洗い出してから設定してください。

よくある失敗と注意点

渡してから制限をかけようとする

最初は自由に使わせて、問題が起きたら制限するという順序は反発を招きます。制限は渡す前に設定し、そこから緩めていくほうが摩擦が小さくなります。

スマートフォンだけ対策してゲーム機を見落とす

青少年の66.9%がゲーム機でインターネットを利用しています。据置型・携帯型のいずれも、保護者による制限機能が用意されています。スマートフォンと同じ基準で設定してください。

フィルタリングを設定して安心してしまう

フィルタリングは不適切なサイトへの接続を制限する仕組みで、使いすぎや友人とのやり取りのトラブルまでは防げません。時間の管理と、話し合える関係の維持が別途必要です。

位置情報の共有を黙って設定する

あとから知られると、監視されていたという受け止め方になります。目的を説明し、合意のうえで設定してください。

ルールを口頭で決めて終わりにする

調査が示すとおり、親子で認識がずれます。書き出して、見直す機会を作ってください。

トラブルが起きたときの相談先

設定と話し合いで防げることには限りがあります。実際に問題が起きたときに、家庭内だけで抱え込まないための窓口を把握しておいてください。いずれも公的な機関が案内しているものです。

相談内容 窓口 連絡先と受付
高額な課金、通販や契約のトラブル 消費者ホットライン 電話188。最寄りの消費生活センター等につながる
犯罪に至らない段階の困りごと、悪質な勧誘やつきまとい 警察相談専用電話 電話#9110。最寄りの警察の相談窓口につながる
いじめや、子どもからのSOS 24時間子供SOSダイヤル 電話0120-0-78310。24時間受付、通話料無料。都道府県・指定都市の教育委員会が運営
いじめ・虐待など子どもの人権に関わること こどもの人権110番(法務省) 電話0120-007-110。平日8時30分〜17時15分、通話料無料

子どもに窓口の存在を伝えておくこと自体にも意味があります。親に言いにくい内容ほど、外部の窓口が受け皿になります。番号を紙に書いて渡す、端末の連絡先に登録しておくといった形で、いざというときに手が届く場所に置いてください。

よくある質問

何歳から持たせるのが一般的ですか

一律の正解はありませんが、調査では9歳でスマートフォンの専用と共用の割合が逆転し、10歳では66.4%が子ども専用です。スマートフォンを使っている小学生(10歳以上)でみると74.9%が子ども専用の端末を使っています。小学校中学年から高学年が、専用機に切り替わる時期の目安といえます。それ以前は親の端末を共用する形が一般的です。

フィルタリングは必ず設定しなければいけませんか

青少年インターネット環境整備法に基づき、携帯電話事業者は青少年が使用する端末についてフィルタリングサービスを提供することなどが求められています。保護者の申出により利用しない選択をとることも制度上ありますが、その場合は端末側の管理機能で代替する必要があります。何も設定しない状態にはしないでください。

子ども専用にせず親のお下がりを渡すのはどうですか

費用を抑えられる方法ですが、渡す前に初期化し、保護者のアカウントからサインアウトしたうえで子ども用のアカウントを設定してください。写真や連絡先、決済情報が残ったままの引き渡しは避けます。中古端末を購入する場合は、ネットワーク利用制限の状態も確認します。

利用時間は何時間までにすべきですか

調査では青少年の平日の平均利用時間は約5時間27分で、うち趣味・娯楽が約3時間1分です。学習用のGIGA端末の利用時間も含まれる数値であるため、この平均をそのまま基準にはできません。時間の上限だけを決めるより、就寝前の時間帯を空ける、食事中は使わないというように場面で区切るほうが運用しやすくなります。

ゲーム機やタブレットも管理が必要ですか

必要です。青少年の利用機器はスマートフォン79.2%に対しGIGA端末73.4%、ゲーム機66.9%と、複数の機器が並行して使われています。スマートフォンだけを制限しても、他の機器から同じことができてしまいます。

学校のGIGA端末は家庭で制限できますか

学校から配布された端末は、多くの場合、学校や教育委員会の側で利用範囲が管理されています。家庭で独自に設定を変更することは想定されていないため、使い方に懸念がある場合は学校に相談するのが筋になります。

子どもが制限を回避しようとしたらどうすべきですか

回避行動そのものを叱るより、なぜ制限があるのかを改めて説明し、緩められる部分がないか一緒に検討するほうが結果につながります。年齢に対して制限が厳しすぎる場合、回避は起こりやすくなります。

親のほうが知識に不安があります

調査では、青少年の保護者のうち啓発や学習を受けた経験があるのは73.8%で、機会としては学校や保育園・幼稚園等の保護者会やPTAの会合が挙げられています。学校や自治体が保護者向けの講座を開いていることがあるため、そうした機会を利用するのが近道です。

まとめ

子どものスマートフォンは、機種選びより先に決めるべきことがあります。フィルタリング、時間とアプリの管理設定、家庭のルール、ケースと保護フィルムの4つはいずれも渡す前に用意するもので、費用も大きくありません。こども家庭庁の令和7年度調査では、青少年の99.0%がインターネットを利用し、平日の平均利用時間は約5時間27分、スマートフォンは9歳で子ども専用と保護者との共用の割合が逆転して10歳では専用が66.4%になります。9〜10歳前後が持たせ方を切り替える節目と考えて準備を進めるとよいでしょう。また同じ調査では、学校種が上がるにつれて親子でルールの認識がずれていくことも示されています。ルールは口頭で決めるのではなく書き出し、学年が変わる時期に見直す。この運用の差が、数年後の状況を分けます。

出典

こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書」(令和8年3月公表、調査期間 令和7年11月1日〜12月18日、青少年調査3,060人・保護者調査3,158人・低年齢層調査1,907人)https://www.cfa.go.jp/policies/youth-kankyou/internet_research/results-etc/r07(2026年10月4日・10月12日に報告書本文で確認。前年度との比較値も同報告書の推移表・図表から)/こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」(令和7年3月公表)/青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット環境整備法、平成21年4月1日施行)

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