スマート家電・生活家電

加湿器の選び方 4方式の電気代と適用床面積の読み方、厚労省の指針が求める衛生管理

加湿器は、本体価格の差より動かし続けたときの電気代の差のほうが大きい家電です。方式によって消費電力が20倍ほど開くため、1シーズン使えば本体価格の差は簡単に逆転します。それでいて、電気代が安い方式には安いなりの弱点があり、そこを知らずに選ぶと「加湿されている実感がない」という結果になります。この記事では4つの方式を電気代と手入れの両面から比べ、カタログの加湿能力と適用床面積をどう読むか、そして水まわりの家電である以上避けて通れない衛生管理までを整理します。

この記事でわかること

加湿の4方式(スチーム・気化・超音波・ハイブリッド)の仕組みと電気代/目標にする湿度の公的な目安/JEM規格に基づく加湿能力と適用床面積の読み方/木造和室とプレハブ洋室で表示が2つある理由/厚生労働省の指針が家庭用加湿器に求めている管理/置き場所で効果が変わる理由/方式別のお手入れの手間/スマート連携の自動運転と通知でできること、できないこと

まず目標の湿度を決める

加湿器を動かす前に、どこまで上げたいのかを数値で持っておくと判断がぶれません。建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく建築物環境衛生管理基準では、居室の相対湿度を40%以上70%以下と定めています。この数値は、延べ面積3,000平方メートル以上の建築物など一定規模以上の特定建築物のうち、空気調和設備を設けている場合に「おおむね」この範囲に収まるよう調節することを求めた基準です。住宅に適用されるものではありませんが、人が過ごす室内の環境として国が示している数値なので、家庭でも目安に使えます。

相対湿度 室内の状態 加湿の判断
30%未満 のどや肌の乾燥を感じやすい。静電気も起きやすい 加湿する。運転を強める
40〜60% 目標とする範囲 維持する。自動運転に任せる
60〜70% 基準の範囲内だがカビが繁殖しはじめる領域 加湿を弱める。窓際の結露を確認する
70%超 基準の上限を超えている 加湿を止める。換気する

上げすぎは下げすぎと同じくらい問題になります。湿度が60%を超えるとカビが繁殖しはじめ、窓や壁の内側で結露が起きます。目標は「40〜60%に収める」であって、「とにかく上げる」ではありません。湿度計は必須の道具で、加湿器の表示だけに頼らず、部屋の別の場所にも1つ置いておくと実態が見えます。逆方向の湿度管理は除湿機とサーキュレーターの選び方 方式別の電気代を実測データで比較するで扱っています。

選定基準 この記事で何を基準に比べたか

1 方式の比較は仕組みに立ち返り、電気代・手入れ・衛生面の3つを同時に見る
2 電気代は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込)で統一して計算する
3 加湿能力と適用床面積は、日本電機工業会の規格が定める測定条件まで含めて読む
4 衛生管理は製品の宣伝文句ではなく、厚生労働省の指針が求めている内容で示す

4つの方式と電気代

日本電機工業会の説明では、加湿の方式は次のように整理されています。スチーム式はヒーターで加熱して蒸気にして放出する方式、気化式は濡れたフィルターに風を当てて水分を蒸発させる方式、超音波式は超音波振動子で水を微細な霧にして放出する方式、ハイブリッド式は蒸気に風を当てて温度を下げて放出する方式です。ただしハイブリッド式という呼び方はメーカーによって中身が違い、ダイニチは送風の気化式とヒーターで加湿をアシストする温風気化式を組み合わせた方式をハイブリッド式と呼んでいます。下の表の「ハイブリッド式(温風気化)」は、こちらの意味で書いています。

加湿器4方式(スチーム式・気化式・超音波式・ハイブリッド式)の1か月の電気代の範囲を比べた図。スチーム式が1,488〜3,720円、気化式が74〜223円
図 加湿器4方式の1か月の電気代(1日8時間・30日、記事の表をもとに作成)
方式 仕組み 消費電力の目安 1時間の電気代 1日8時間×30日
スチーム式(加熱) 水を沸騰させ蒸気を出す 200〜500W 6.2〜15.5円 1,488〜3,720円
気化式(送風) フィルターに送風して自然蒸発させる 10〜30W 0.3〜0.9円 74〜223円
超音波式 振動で霧状にして噴霧する 20〜40W 0.6〜1.2円 149〜298円
ハイブリッド式(温風気化) 気化式に加熱を組み合わせる 150〜400W 4.7〜12.4円 1,116〜2,976円

電気代は目安単価31円/kWhで計算した概算で、消費電力は各方式の一般的な製品の公表仕様に基づく代表値です。幅から外れる機種もあります。スチーム式は湯を沸かす立ち上げ時の消費電力が大きく、象印のEE-DG35・EE-DG50では加湿時305W・410Wに対して湯沸かし立ち上げ時は985Wです(カタログ値)。ハイブリッド式も、ダイニチの標準運転時で小型のHD-N326が98W、960mL/hのLXタイプが420Wと、表の150〜400Wを上下に外れる例があります。1か月で最大3,600円ほどの開きが出ます。ただしこの数字だけで決めると失敗します。それぞれに固有の弱点があるためです。

方式 強み 弱み 向いている場所
スチーム式 沸騰させるため雑菌が繁殖しにくい。立ち上がりが速く、室温も下がらない 電気代が最も高い。吹き出し口が熱くなる。運転音がする 寝室、乳幼児や高齢者のいる部屋(ただし吹き出し口に触れない配置で)
気化式 電気代が圧倒的に安い。熱くならないので安全 加湿に時間がかかる。フィルターの手入れと交換が要る。送風音がある 長時間つけっぱなしにするリビング
超音波式 安価で小型。デザインの自由度が高い 加熱しないためタンクの水に菌が増えるとそのまま放出される。白い粉が付着する 手入れを毎日できる前提の卓上用途
ハイブリッド式 立ち上がりと電気代のバランスが取れる 構造が複雑で本体価格が高い。加熱を使う運転では電気代が上がる 広いリビング、素早く上げて後は維持したい場合

気化式の「白い粉が出ない」「電気代が安い」という利点は実際に大きく、つけっぱなし運用では最も合理的です。一方で、水を加熱しない方式(気化式・超音波式)はタンクや水受けの衛生管理を怠ると、その水がそのまま部屋に出ていきます。ここは後述します。

加湿能力と適用床面積の読み方

カタログの「500mL/h」という数字には測定条件があります。日本電機工業会の規格(JEM 1426 電気加湿器)では、室温20℃・湿度30%のときに1時間あたりで放出できる水分量として定められています。つまり条件が変われば実際の加湿量も変わります。

適用床面積はこの加湿能力から算出されますが、カタログには2つの数字が併記されているのが普通です。

表示 意味 数字の大小
プレハブ住宅洋室 気密性が高い建物を想定 大きい側(最大適用加湿面積)
木造住宅和室 隙間が多く湿気が逃げやすい建物を想定 小さい側(最小適用加湿面積)

例えば「木造和室8.5畳/プレハブ洋室14畳」と書かれていれば、同じ製品が住まいの条件によって8.5畳用にも14畳用にもなるということです。自宅がどちらに近いか分からない場合は、小さいほうの数字で判断してください。能力が足りなければ湿度は上がりませんが、余裕があれば弱運転で済みます。加えて、天井が高い部屋、吹き抜けのある間取り、窓が大きい部屋では表示より不利になります。

適用床面積は一定の条件下での目安であり、実際の効果は部屋の構造、断熱性能、換気の量、外気温で変わります。表示ぎりぎりの機種を選ばず、1ランク上を選んでおくと弱運転で静かに使えます。

1ランク上を選ぶ利点は音だけではありません。ダイニチが自社のハイブリッド式で示している比較では、加湿能力に余裕のある機種を省エネ寄りの運転で使うと、同じくらいの加湿量でも消費電力が大きく下がります。

機種のクラス 運転 加湿量 消費電力
500mL/h(RXT・RXCタイプ) 標準 500mL/h 163W
500mL/h(RXT・RXCタイプ) eco 370mL/h 12W
960mL/h(LX・LXCタイプ) 標準 960mL/h 420W
960mL/h(LX・LXCタイプ) eco 600mL/h 23W

数字はダイニチ1社のカタログ値で、50Hzの場合です。同社の試算(1日8時間×30日、31円/kWh)では、500mL/h機の標準運転が1か月約1,212円、960mL/h機のeco運転が約171円で、差は約1,041円とされています。eco運転は加湿量も下がるため、部屋の湿度が目標に届くかは湿度計で確かめてください。

水を使う家電であることの意味

加湿器で最も軽視されやすいのが衛生管理です。これは製品の善し悪しの話ではなく、国の指針で名指しされている事柄です。

厚生労働省の「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」は、平成30年8月3日の告示第297号で一部が改正されました。改正の背景には、家庭等で使用される卓上用または床置き式の加湿器内の汚染水のエアロゾルを吸入したことが原因とされるレジオネラ症の感染事例が報告されたことがあります。レジオネラ属菌は、冷却塔や給湯設備、加湿器など水を使う設備に付着する生物膜(ぬめり)に生息して繁殖し、そこから発生した細かな水滴を吸い込むことで感染することが知られています。

指針が家庭用加湿器について求めている管理は、「タンクの水は、毎日完全に換えるとともに、タンク内を清掃すること」という1文です。自治体の案内ではこれに水道水を使うことや継ぎ足さないことが加わり、次の3点に整理されています。

1 タンクの水は水道水を使う(塩素が残っているため菌が繁殖しにくい。自治体の案内)
2 タンクの水は毎日完全に換える(指針の文言。継ぎ足さないことは自治体の案内)
3 水を換えるときにタンク内を清掃する(指針の文言)

「継ぎ足さない」がとくに守られにくい項目です。減った分だけ足すと、底に残った古い水がいつまでも入れ替わりません。使い切ってから入れる、あるいは残りを捨ててから入れるという運用に変えてください。浄水器を通した水やミネラルウォーターは、塩素が抜けているぶん菌が繁殖しやすくなるため、加湿器には向きません。

方式によってリスクの出方が変わる点も知っておく価値があります。

方式 水の扱い 衛生面の注意
スチーム式 沸騰させてから蒸気にする 菌が繁殖しにくい。ただし水垢(カルシウム分)の付着は進む
気化式 フィルターを湿らせて風を当てる フィルターの汚れとぬめりが臭いの原因になる。定期的な洗浄と交換が要る
超音波式 常温の水を霧にして噴霧する 加熱の工程がないため、タンクの状態がそのまま空気中に出る。毎日の清掃が前提
ハイブリッド式 気化式に加熱を併用 気化式と同様のフィルター管理が必要

気化式のフィルターには交換の目安があります。日本電機工業会の自主基準では、1日8時間・1シーズン6か月使用した条件で、定格加湿能力に対して加湿能力が50%まで低下するまでの期間とされています。つまり「まだ使える」と感じていても、能力が半分まで落ちていれば交換を考える時期です。ただしJEMA自身も「交換の目安は、機器や使用状況によって異なります」と注記しているので、実際の時期はカタログや取扱説明書で確かめてください。加湿している実感が薄れてきたら、故障ではなくフィルターの寿命を疑ってください。

置き場所で結果が変わる

同じ製品でも、置く場所によって効きも安全性も変わります。

置き場所 起きること 判断
部屋の中央付近、床から少し高い位置 蒸気や霧が部屋全体に行き渡る 基本の置き方。台に載せる
エアコンの風が流れる位置 暖気に乗って湿気が拡散する 効率がよい。ただし吹き出し口の直下は避ける
窓際・外壁際 冷えた面で結露する。カビの原因になる 避ける
壁や家具のすぐそば 壁紙や木部が湿気を吸って傷む 30cm程度は離す
床に直置き(特に畳・カーペット) 低い位置に湿気がたまり、床材を傷める 台に載せて高さを出す
電子機器や本棚の近く 結露や湿気の影響を受ける 離す。超音波式は白い粉の付着にも注意

冬の暖房と組み合わせる場合、室温が上がると相対湿度は下がります。同じ水分量でも暖かい空気のほうが多くの水蒸気を含めるためで、暖房を強めるほど乾燥するのはこのためです。暖房の方式ごとの特性は電気暖房器具の選び方 暖め方3方式の違いと方式別の電気代、事故データで見る安全な使い方にまとめました。アプリやスマートスピーカーとの連携で自動化したい場合は、この後のスマート連携でできることで扱います。空気清浄機自体の集じん方式・脱臭・除菌機能の選び方は空気清浄機の選び方 集じん方式とPM2.5表示の読み方、オゾン発生のリスクまで整理するで整理しています。

寝具の湿気を飛ばす機器としては、ふとん乾燥機も同じ湿度管理の一部です。方式ごとの手間の差はふとん乾燥機の選び方 3方式の手間の差と、ダニ対策で乾燥機が担える範囲にまとめました。

スマート連携でできること 自動運転と通知で何が楽になり、何が変わらないか

アプリやスマートスピーカーから操作できる加湿器は増えましたが、「スマート対応」という表記だけでは中身が分かりません。電源の入り切りしかできない機種もあれば、湿度を見ながら運転を自動で調整し、給水やフィルター交換の時期まで知らせる機種もあります。できることは大きく分けて、外出先からの遠隔操作、時刻や湿度にもとづく自動運転、状態の通知の3つです。比べるときは通信規格の名前より、この3つのどこまでに対応しているかを見てください。

対応の範囲 アプリでできること 向いている使い方
電源操作のみ 運転の入り切り、運転状態の確認 外出先で切り忘れに気づいたときに止める
運転設定まで 加湿量や風量の段階切り替え、タイマー 寝る前や帰宅前に運転の強さを決めておく
自動化まで 目標湿度の数値設定、曜日・時刻ごとのスケジュール、複数台のまとめて操作、給水・フィルターの通知、消費電力量の表示 毎日同じ時間帯に使う部屋、複数の部屋に置く場合

上の区分はメーカー各社がカタログやアプリの説明で公表している機能をもとに整理したもので、特定の製品を実測した結果ではありません。同じメーカーでも機種によって対応範囲が違うため、購入前に製品ページの「アプリでできること」の一覧を確認するのが確実です。

湿度センサーの自動運転は「本体のまわりの湿度」で動く

自動運転の多くは、本体の湿度センサーの値が目標を下回ると加湿量を上げ、上回ると弱める仕組みです。便利ですが、センサーが測っているのはあくまで本体のまわりの湿度です。吹き出し口に近いぶん部屋の奥より高めに出やすく、本体の表示が50%でも、離れた場所では40%に届いていないことがあります。家庭用のセンサーは運転を調整するための目安で、測定器ほどの精度は求められていません。冒頭で書いたとおり、別の場所に置いた湿度計の値と見比べて目標湿度を決めると、実際の部屋の状態に近づきます。

目標湿度を数値で設定できる機種なら、40〜60%の範囲で決めてください。60%を超える設定にすると、窓際の結露やカビの原因をかえって自動で作り続けることになります。

通知は水替えの代わりにならない

給水タンクが空になったときや、気化フィルターの交換時期が近づいたときにスマートフォンへ知らせる機能があります。フィルター交換の通知は、前の章で書いた「加湿能力が半分になった時点が交換時期」を見逃さないために役立ちます。

ただし水切れの通知は、タンクの水が古くなったことまでは知らせてくれません。厚生労働省の指針が求めているのは毎日すべて入れ替え、そのときにタンクを洗うことで、自治体の案内ではこれに水道水を使うことが加わります。通知が来てから足す運用にすると、「継ぎ足し」と同じ状態になります。通知は補助と考え、毎日の水替えは時刻を決めて手で行ってください。

電気代に効くのはスチーム式とハイブリッド式

スケジュール運転や湿度による自動調整は、どの方式でも無駄な運転を減らします。ただし金額の差として表れるのは、消費電力が大きい加熱を使う方式です。例えば消費電力300Wのスチーム式で、不在の時間帯に運転していた分を1日2時間減らせたとすると、0.3kWh×2時間×31円で約19円、30日で約560円になります。同じ2時間を気化式(20W)で減らしても30日で約37円です。数字は前の章と同じ目安単価31円/kWhによる試算で、実測値ではありません。

アプリに消費電力量を表示できる機種であれば、自宅での使い方でいくらかかっているかを確認できます。この表示も機器の内部で推計した値の場合があるため、正確に比べたい場合は電力量を測れる計測器を併用します。電気代の見積もり方そのものは家電の電気代を見積もる方法 省エネラベルの読み方と機器別の考え方にまとめています。

つなぎ方と、自宅の環境で使えるかの確認

つなぎ方 仕組み 確認すること
Wi-Fi直接接続 本体が自宅のWi-Fiルーターにつながり、メーカーのアプリから操作する 対応する周波数帯(2.4GHz帯のみの機種が多い)、置き場所まで電波が届くか
ハブ経由 専用のハブを介して通信する。ZigbeeやBluetoothを使う製品で採用される ハブを別に購入する必要があるか
音声アシスタント連携 Amazon Alexa、Google アシスタント、Apple Homeなどから声やアプリで操作する 自宅で使っているアシスタントに対応しているか、声で操作できる項目はどこまでか
Matter・ECHONET Lite対応 メーカーをまたいで操作するための共通規格。MatterはConnectivity Standards Alliance、ECHONET Liteはエコーネットコンソーシアムが策定している 対応をうたっていても、共通規格から操作できるのは一部の機能に限られる場合がある

メーカーのアプリは基本的に各社で別々なので、複数の部屋に置くなら同じメーカーでそろえると1つのアプリで管理しやすくなります。家全体で何から自動化するかはスマートホームの始め方 12分野を導入効果で採点しMatter対応の考え方まで解説で整理しています。

1 アプリやクラウドサービスの提供が終わると、遠隔操作や通知は使えなくなる可能性がある。本体のボタンで運転できるかを確認しておく
2 ネットワークにつながる機器なので、初期パスワードの変更とファームウェアの更新を行う
3 音声操作は、テレビの音声や家族の会話で意図せず運転が切り替わることがある
4 加熱を使うスチーム式は、遠隔操作での運転開始に条件を設けている機種がある。取扱説明書の遠隔操作に関する注意に従う

基本の加湿はスマート連携がなくても変わりません。在宅時間が決まっていて毎日同じ時刻に使う人や、外出中の切り忘れが気になる人には効果が大きく、手元で入り切りすれば足りる人には優先度の低い機能です。

よくある失敗

失敗 何が起きるか 対処
水を継ぎ足して使う 底の古い水が入れ替わらず、菌が繁殖する 毎日すべて捨ててから入れ直す
ミネラルウォーターや浄水を入れる 塩素が抜けており菌が繁殖しやすい 水道水を使う
適用床面積ぎりぎりの機種を選ぶ 常に強運転になり、音が大きく湿度も上がりきらない 木造和室側の数字で見て、1ランク上を選ぶ
加湿しすぎて窓が結露する サッシまわりにカビが出る。壁内結露の原因にもなる 湿度計を見て60%を超えたら弱める
フィルターを交換しない 加湿能力が落ち、臭いの原因になる 能力が半減する時期を目安に交換する
シーズン終わりに水を残したまましまう タンク内で菌やぬめりが繁殖したまま翌年使うことになる 完全に乾燥させてから収納する

よくある質問

電気代を最優先するならどの方式ですか

気化式です。送風のみで加湿するため消費電力は10〜30W程度で、1日8時間を30日続けても数百円に収まります。ただし加湿までに時間がかかり、フィルターの手入れと定期交換という手間が発生します。電気代で浮いた分の一部はフィルター代に回ると考えておくと計算が合います。

超音波式は選ばないほうがよいのですか

毎日タンクを空にして清掃できるなら選択肢になります。加熱しない方式は、タンクの水の状態がそのまま空気中に出ます。厚生労働省の指針が改正されたきっかけも、家庭用の卓上・床置き式加湿器内の汚染水が原因とされる感染事例でした。手入れの頻度を確保できない場合は、加熱工程のある方式のほうが安全側です。

加湿能力はどれくらいあればよいですか

部屋の広さと建物の条件で決まります。カタログの適用床面積は木造和室(小さい側)とプレハブ洋室(大きい側)の2つが併記されているので、自宅が気密性の高い建物でないなら小さい側の数字で判断してください。天井が高い、吹き抜けがある、窓が大きいといった条件があればさらに余裕を見ます。

白い粉が家具に付きます

超音波式で起きやすい現象で、水道水に含まれるミネラル分が霧とともに放出され、乾いて残ったものです。人体への大きな害が確認されているものではありませんが、家電や家具に付着します。加熱式や気化式では起きません。

エアコンの暖房だけで乾燥するのはなぜですか

エアコンは室内の空気を暖めているだけで、水分を加えているわけではありません。空気の温度が上がると同じ水分量でも相対湿度が下がるため、暖房を強めるほど乾燥した状態になります。加湿器はこの下がった分を補う役割です。

濡れタオルを干すだけでも代わりになりますか

狭い空間では効果があります。洗濯物の室内干しも同様です。ただし放出量を調節できず、部屋が広いと追いつきません。また湿った洗濯物を長時間置くことは臭いの原因にもなります。補助として使い、湿度計で結果を確認してください。

掃除にはどんな洗剤を使えばよいですか

取扱説明書の指定に従ってください。水垢(カルシウム分)にはクエン酸、ぬめりには中性洗剤が使われることが多いのですが、部品の素材によっては使えないものがあります。とくに超音波の振動子やフィルターは傷つけると性能が落ちるため、指定された方法から外れないことが結局は近道です。

1台で家中をまかなえますか

難しいと考えてください。ドアを開けて隣室まで加湿しようとすると、放出量が分散して目標の湿度に届きません。加湿は部屋単位で考え、長く過ごす部屋に必要な能力の機種を置くのが基本です。寝室と居間の両方で使いたいなら、キャスター付きで移動できる製品か、2台目を検討することになります。

まとめ

加湿器は方式で性格が決まります。電気代を優先するなら気化式、立ち上がりと衛生面を優先するならスチーム式、その中間がハイブリッド式です。超音波式は安価ですが、加熱の工程がないぶん毎日の手入れが前提になります。カタログの加湿能力は室温20℃・湿度30%という条件下の値で、適用床面積は木造和室(小さい側)とプレハブ洋室(大きい側)が併記されているため、迷ったら小さい側で選びます。そして水道水を使い、毎日すべて入れ替え、タンクを洗う。このうち毎日の入れ替えとタンクの清掃は厚生労働省の指針が家庭用加湿器に求めている管理で、水道水を使うことは自治体の案内が加えている点です。湿度は40〜60%に収め、上げすぎないことも同じくらい大切です。

出典

厚生労働省「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」(平成15年7月25日厚生労働省告示第264号、平成30年8月3日厚生労働省告示第297号により一部改正。改正は、家庭等で使用される卓上用又は床置き式の加湿器内の汚染水のエアロゾルを吸入したことが原因とされるレジオネラ症の感染事例が報告されたことを踏まえたもの)および同指針に基づく自治体の家庭用加湿器の管理に関する案内(水道水の使用、毎日の完全な水の交換、タンク内の清掃)
一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)「加湿器とは」および規格JEM 1426(電気加湿器)。加湿能力は室温20℃・湿度30%時に1時間あたりで放出できる水分量として測定され、適用床面積はプレハブ住宅洋室を最大適用加湿面積、木造住宅和室を最小適用加湿面積として表示されます。加湿フィルターの交換目安は、1日8時間・1シーズン6か月使用し定格加湿能力に対して加湿能力が50%まで低下するまでの期間とする自主基準が定められています
厚生労働省 建築物環境衛生管理基準(居室の相対湿度40%以上70%以下)
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の電力料金目安単価31円/kWh(令和4年7月22日改定)
Connectivity Standards Alliance(CSA)が策定するスマートホーム共通規格Matter/エコーネットコンソーシアムが策定する通信規格ECHONET Lite。スマート連携で使える機能の区分は各メーカーが公表している製品仕様をもとに整理したもので、特定製品の実測ではありません。
消費電力の数値は各方式の一般的な製品の公表仕様に基づく代表値で、実測値ではありません。電気代は上記の目安単価による概算です。スケジュール運転による電気代の差も同じ目安単価31円/kWhによる試算です

給水タンクの乾燥やカビ対策は、加湿器に限らず水を扱う家電に共通する注意点です。コーヒーメーカーの水垢・カビ対策はコーヒーメーカーの選び方 ドリップ式・エスプレッソ式の違いと、湯温・比率の基準まで整理するで扱っています。

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