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除湿機とサーキュレーターの選び方 方式別の電気代を実測データで比較する

除湿機とサーキュレーターは、どちらも「湿気をなんとかする機械」として一緒に語られがちですが、やっていることはまったく違います。除湿機は空気から水分を取り除く機械、サーキュレーターは空気を動かすだけの機械です。水を取れるのは除湿機だけで、サーキュレーターは1滴も減らしません。それでも両方が必要になる場面があります。この記事では、除湿機の3つの方式を実測データで比較し、室温によって電気代が約2.3〜3.2倍変わる理由と、サーキュレーターをどう組み合わせるかを整理します。

この記事でわかること

室内の湿度をどこに保てばよいかの公的な目安/除湿機3方式の除湿量・電気代・除湿効率の実測比較/季節と用途による方式の選び分け/除湿能力とタンク容量の見方/サーキュレーターと扇風機の違い/部屋干しを速く終わらせる順番/経年劣化による事故を防ぐ点検

湿度はどこに保てばよいのか

まず目標を決めます。感覚ではなく数値で持っておくと、除湿機を動かす判断がぶれません。

建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく建築物環境衛生管理基準では、居室の相対湿度を40%以上70%以下、温度を18度以上28度以下とすることが定められています。これは特定建築物、つまり一定規模以上のオフィスビルや商業施設が対象の基準で、住宅に適用されるものではありません。ただし人が過ごす室内の環境として国が示している数値なので、家庭でも目安として使えます。なお温度の下限は、WHOが平成30年に策定したガイドラインで冬期の高齢者における血圧上昇への影響を考慮して18度以上が勧告されたことを受け、令和4年4月1日施行の政令改正で17度から18度に引き上げられています。

もう一方の目安がカビです。板橋区の公開情報では、カビは温度20℃前後、湿度60%以上で繁殖し、湿度が80%を超えると繁殖のスピードが速くなるとされています。栄養源は手あかなどによる汚れ、壁紙とそのノリ、結露した水、加湿器の水などで、日当たりや風通しの悪いところ、部屋の隅、結露の多い場所に発生します。

同じ板橋区の公開情報は、室内の湿度を30%〜60%の間を目安にするとしています。上限の60%は共通ですが、下限は建築物衛生法の基準(40%以上)より低めです。下の表では、下限を建築物衛生法の40%、上限をカビの目安である60%に置いています。

相対湿度 室内の状態 やること
40%未満 建築物衛生法の基準の下限を下回る。30%を切ると板橋区の目安からも外れ、のどや肌に負担 除湿は不要。加湿を検討する
40〜60% 目標とする範囲(建築物衛生法の基準内で、板橋区の目安の上限60%以下) 維持する。除湿機は不要か弱運転
60〜70% カビが繁殖しはじめる 除湿機を動かす。換気と風を通す
70〜80% 基準の上限を超えている 除湿を優先する。押し入れや家具裏も確認
80%超 カビの繁殖が速くなる 除湿機を連続運転。結露箇所を拭き取る

数値を知るには温湿度計が要ります。スマートフォンで確認できる無線式のものなら、押し入れや洗面所など普段見ない場所の湿度も把握できます。スマート家電との連携で自動化する考え方はスマートホームの始め方 12分野を導入効果で採点しMatter対応の考え方まで解説で扱っています。

除湿機の3つの方式

除湿機の選択は、ほぼ方式の選択です。値段でも見た目でもなく、どの方式かで得意な季節と電気代が決まります。

方式 仕組み 長所 短所
コンプレッサー方式 湿った空気を冷却器で冷やして水滴に変える。エアコンと同じ原理 除湿効率が優れ電気代が安い。稼働時の室温上昇が少ない 低温では除湿量が落ちる。本体が重い
デシカント方式 ゼオライトという乾燥剤に水分を吸着させ、ヒーターの熱で水滴に戻す 運転音が静か。軽くて移動しやすい。室温に左右されず一定の除湿量 消費電力が大きく電気代が高い。室温上昇が大きい
ハイブリッド方式 両方式を搭載し、使用環境に応じて自動で切り替える 外気温に応じて切り替えられ、安定して除湿量を確保できる 低温時はデシカント方式になるため電気代が高い。重く価格も高い

実測データで見る差

方式の違いがどれくらいの差になるのか、公的な比較試験の数値があります。北海道消費者協会が2015年に3方式の製品を1台ずつ購入し、室温10℃・20℃・30℃で比較した結果です。

除湿機3方式(コンプレッサー・デシカント・ハイブリッド)の1時間あたりの電気代を室温10・20・30℃で比べた棒グラフ
図 除湿機3方式の1時間あたりの電気代(記事の表をもとに作成)
項目 室温 コンプレッサー デシカント ハイブリッド
1時間あたりの除湿量(湿度85%) 10℃ 268mL 299mL 330mL
20℃ 476mL 315mL 417mL
30℃ 627mL 304mL 566mL
1時間あたりの電気代 10℃ 5.0円 16.1円 17.9円
20℃ 5.8円 16.1円 8.9円
30℃ 6.9円 16.2円 9.3円
除湿効率(1kWhで除湿できる水の量) 10℃ 1.5L 0.5L 0.5L
20℃ 2.3L 0.5L 1.3L
30℃ 2.5L 0.5L 1.7L
本体重量 12.4kg 8.5kg 13.9kg

読み取れることは3つあります。ひとつ、コンプレッサー方式は室温が高いほど強くなり、電気代も一貫して安い。30℃では1時間あたり6.9円で627mLを取っており、デシカント方式の16.2円で304mLと比べると、同じ水を取るのに約5分の1の電気で済んでいます。ふたつ、デシカント方式は室温が変わっても除湿量がほぼ一定で、電気代も一定に高い。冬でも能力が落ちないという長所は、裏返せば常にヒーターを使っているということです。みっつ、ハイブリッド方式は10℃でデシカント方式に切り替わるため、そこだけ電気代が跳ね上がります。

この試験は2015年に各方式1台ずつ、合計3台で行われたものです。機種による差や、その後の製品の改良は反映されていません。電気代の金額も当時の単価によるものです。絶対値ではなく、方式による傾向と倍率を読むためのデータとして扱ってください。電気代の計算方法そのものは家電の消費電力から自分で見積もれます。

電気代を機器ごとに見積もる手順は家電の電気代を見積もる方法 省エネラベルの読み方と機器別の考え方にまとめています。

どの方式を選ぶか

使い方 向いている方式 理由
梅雨から夏の湿気対策が中心 コンプレッサー方式 気温が高い時期に能力が出る。電気代が安い
冬の結露や北側の部屋の対策 デシカント方式 低温でも除湿量が落ちない
1年を通して毎日使う ハイブリッド方式 季節を問わず安定する。ただし価格と重量は増える
寝室で使う デシカント方式または静音性能を確認したコンプレッサー方式 コンプレッサーは圧縮機の振動音がある
部屋を移動させて使う デシカント方式 8kg台と軽い製品がある。キャスターの有無も確認する
脱衣所や洗面所で使う コンプレッサー方式 デシカントは室温を上げるため、夏の狭い空間ではつらい

迷ったら使う季節で決めてください。夏に使うならコンプレッサー、冬に使うならデシカント、どちらも使うならハイブリッドです。年間の電気代を重く見るならコンプレッサー方式が有利ですが、冬に能力が落ちる点は受け入れる必要があります。

能力とタンクの見方

仕様 意味 確認するポイント
定格除湿能力 1日あたりに取れる水の量。リットルで表記される 測定条件はカタログの注記で確認する。パナソニックの比較表では「室温27℃、相対湿度60%を維持したときの1日あたりの除湿量」と注記されている
適用畳数 目安となる部屋の広さ 住宅の構造別に数字が分かれている。木造・プレハブ・鉄筋の3区分で示す製品もある。自宅の構造に合う欄を見る
タンク容量 ためられる水の量 小さいと1日に何度も捨てることになる
連続排水 ホースで排水口へ流す機能 長時間の運転や留守中の運転で効く
衣類乾燥モード 洗濯物に風を当てながら除湿する 日本電機工業会の自主基準(JEMA-HD090:2017)に基づく試験値が示されることがある
運転音 デシベル表記 寝室や在宅ワーク中に使うなら確認する

適用畳数は住宅の構造別に書かれています。パナソニックの比較表はJEMA(日本電機工業会)規格に基づく数値を木造・プレハブ・鉄筋の3区分で載せており、たとえばF-YEX200D(50Hz)は木造23畳、プレハブ36畳、鉄筋47畳です。プレハブは木造と鉄筋の中間にあたり、鉄筋と同じ扱いではありません。同社の選び方ページの目安表のように、木造と鉄筋の2区分で示す資料もあります。同じ製品でも木造の数値は鉄筋の約半分になります。木造は隙間から湿気が入りやすいためです。自宅がどちらかを確認してから数字を見てください。ここを取り違えると、能力不足で「効かない除湿機」を買うことになります。

タンク容量は使い勝手に直結します。除湿量が1日6リットルの機種にタンクが3リットルなら、1日2回は捨てに行く計算です。留守中に運転させたい、寝ている間も止めたくないという場合は、タンクが満杯になった時点で運転が止まる点を踏まえて、連続排水に対応した機種を検討してください。

サーキュレーターは水を取らない

ここからは風の話です。サーキュレーターは湿度を下げる機械ではありません。空気を動かして、湿気が滞留するのを防ぎ、乾燥を速める機械です。

サーキュレーター 扇風機
目的 空気を循環させる 人に風を当てて涼しくする
風の性質 直進性が高く遠くまで届く 広く柔らかい風を送る
首振り 上下方向にも動く機種が多い 左右が中心
音 風量が強い分だけ大きくなりやすい 比較的静か
使う季節 通年 主に夏

役割が違うので、扇風機で代用できる場面とできない場面があります。洗濯物に風を当てるだけなら扇風機でも足りますが、部屋の隅の空気を動かしたい、エアコンの冷気を部屋全体に回したいという用途では、直進性のあるサーキュレーターのほうが向きます。

使い方 置き方 効果
部屋干しの補助 洗濯物の下から当てる。除湿機と反対側に置く 湿った空気を動かして乾燥を速める
エアコンとの併用 冷房なら上向き、暖房なら壁や天井に向ける 温度のむらを減らす。設定温度を無理に上下させずに済む
押し入れ・クローゼット 扉を開けて中に風を送る 滞留した湿気を動かす。カビの条件を崩す
換気の補助 窓の外に向けて置き、別の窓を開ける 空気の出口を作って流れを起こす

除湿機とサーキュレーターは競合しません。併用が前提です。除湿機だけでは、部屋の隅や洗濯物の内側の湿った空気は動きません。サーキュレーターだけでは、水分は部屋の中に残ったままです。両方あってはじめて、湿った空気を除湿機のところまで運んで水に変えるという流れができます。

部屋干しを速く終わらせる順番

効果の大きい順に並べると、優先順位がはっきりします。

順位 やること 理由
1 除湿する 空気が水分を受け取れる状態でなければ、風を当てても乾かない
2 風を当てる 洗濯物の表面の湿った空気を入れ替える
3 間隔を空けて干す 接している部分は乾かない。厚手のものは端に配置する
4 干す場所を狭くする 広い部屋全体を除湿するより、浴室や脱衣所のほうが効率がよい
5 脱水を長めにする そもそも水分を減らしておく

室温による差はメーカーの試験値にも表れています。パナソニックが日本電機工業会の自主基準(JEMA-HD090:2017)に基づいて、衣類約2kg相当を6畳相当の部屋で乾かした時間は次のとおりです。メーカーのカタログ値で、当サイトの実測ではありません。

機種 20℃(梅雨時) 10℃(冬季)
F-YEX200D 約80分 約115分
F-YEX120B 約90分 約135分
F-YEX90D 約125分 約177分

どの機種も10℃では20℃より乾燥時間が延びています。実際の時間は設置環境や衣類の種類・量・干し方で変わるため、機種を比べるときは同じ試験条件の数値どうしで比べてください。

浴室に干して換気扇を回す方法は、狭い空間を集中的に扱えるので効率が高い一方、浴室そのものの湿気を増やします。浴室乾燥機がないなら、扉を閉めて除湿機を回すか、干し終わったあとに浴室を乾かす手順まで含めて考えてください。

結露への対処

結露は、暖かく湿った空気が冷たい面に触れて水になる現象です。窓ガラス、北側の壁、家具の裏、押し入れの隅で起きます。

対処 内容 効き方
湿度を下げる 除湿機を動かす。加湿しすぎない 原因側に効く。根本的
空気を動かす 家具を壁から少し離す。サーキュレーターで風を送る 滞留を防ぐ。カビの条件を崩す
冷たい面を減らす 断熱シートや内窓 結露そのものを起きにくくする。工事や費用が伴う
拭き取る 発生した水を放置しない 対症療法だが、カビの栄養源を断つ意味がある

冬に室内で加湿しながら別の部屋で結露が起きている、という状態はよくあります。加湿と除湿を同じ家の中で同時にやっている場合は、まず温湿度計で各部屋を測ってください。体感で判断すると、暖かい部屋を基準に加湿しすぎて、寒い部屋で結露させることになります。

経年劣化による事故を防ぐ

扇風機やサーキュレーターは、モーターを長時間回し続ける機械です。長く使えるように見えて、内部の部品は確実に劣化します。

製品評価技術基盤機構(NITE)が公表した注意喚起によると、平成16年度から20年度の5年間に通知された扇風機と換気扇の事故は189件あり、うち死亡事故が2件、重傷事故が3件、建物損害の火災は85件でした。原因の内訳では、長期間の使用に伴い生じる劣化、つまり経年劣化によるものが189件中84件と最も多く、44%を占めています。事故は7月から8月に集中しています。

NITEは、使用中に次のような症状があれば電源スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜いて販売店かメーカーに相談するよう呼びかけています。スイッチを入れてもファンが回らない、回転が異常に遅いか不規則、回転するときに異常な音や振動がする、モーター部分が異常に熱いか焦げくさいにおいがする、電源コードが折れ曲がったり破損したりしている、電源コードに触れるとファンが回ったり回らなかったりする。どれか1つでも当てはまれば、使い続けないでください。夏の間だけ物置から出して使う機器ほど、状態の変化に気づきにくくなります。

目安になる制度もあります。経済産業省の長期使用製品安全表示制度により、2009年4月1日以降に製造・輸入された対象品目には、製造年、設計上の標準使用期間、そしてその期間を超えて使用すると経年劣化による発火やけがの事故に至るおそれがある旨の表示が義務づけられています。日本電機工業会の説明では、対象は家庭用の換気扇、扇風機、エアコン、洗濯乾燥機を除く洗濯機、ブラウン管テレビの5品目です。手元の扇風機の背面や側面に、製造年と標準使用期間が書かれていないか確認してみてください。期間を過ぎたからといって直ちに危険というわけではありませんが、点検の目安にはなります。電池を使う機器の発火についてはリチウムイオン電池の火災を防ぐ 統計で見る出火原因と正しい捨て方で別途扱っています。

時期 やること
シーズン前 羽根とガードのほこりを落とす。試運転して異音と振動を確認する
使用中 吸気口をふさがない。コードを家具の下敷きにしない
シーズン後 汚れを落として乾かしてから保管する。湿った場所に置かない
随時 製造年と標準使用期間の表示を確認する

除湿機についても、タンクとフィルターの手入れを怠ると能力が落ち、においの原因になります。故障したときの窓口や保証の考え方は家電・ガジェットの保証と修理 3つの仕組みの違いと延長保証の判断に整理しました。使わなくなった機器の処分は使わなくなったガジェットの手放し方5経路を比較 売却・下取り・リサイクルの選び分けを参照してください。除湿機、扇風機、サーキュレーターはいずれも小型家電リサイクルの対象分類に含まれます。

よくある失敗

サーキュレーターだけで湿気を減らそうとする

空気を動かしても水分は部屋から出ません。窓を開けて外に出すか、除湿機で水に変えるかのどちらかが必要です。梅雨時は外の湿度も高いため、換気だけでは下がらないこともあります。

適用畳数を鉄筋の数値で見て木造の家に置く

同じ製品でも木造の適用畳数は鉄筋の約半分です。数字の大きいほうだけを見て選ぶと、能力が足りません。

冬の結露対策にコンプレッサー方式を買う

コンプレッサー方式は室温が低いと除湿量が落ちます。冬が主目的ならデシカント方式かハイブリッド方式が向きます。

夏の狭い脱衣所でデシカント方式を回す

デシカント方式はヒーターを使うため室温が上がります。夏の狭い空間では、湿度は下がっても体感は悪化します。

タンクの水を捨てるのを前提にしていない

除湿量が多い機種ほどタンクはすぐ満杯になります。1日に何度も捨てに行くのが現実的でないなら、連続排水に対応した機種を選んでください。

去年しまった扇風機をそのまま出して使う

ほこりが内部に入ったまま、あるいは湿気を吸ったまま保管されていることがあります。試運転で異音と振動を確認してから使ってください。

よくある質問

室内の湿度は何%を目標にすればよいですか

建築物環境衛生管理基準では相対湿度40%以上70%以下とされています。これはオフィスビルなど特定建築物の基準で住宅に適用されるものではありませんが、目安として使えます。カビの観点では、板橋区の情報で湿度60%以上で繁殖し80%を超えると繁殖が速くなるとされているため、60%以下に保てると安心です。

コンプレッサー方式とデシカント方式はどちらが安いですか

電気代はコンプレッサー方式が明確に安くなります。北海道消費者協会が2015年に行った比較試験では、1時間あたりの電気代が室温20℃でコンプレッサー方式5.8円に対しデシカント方式16.1円でした。1kWhで除湿できる水の量もコンプレッサー方式2.3リットルに対しデシカント方式0.5リットルです。ただし低温では能力が落ちるため、使う季節と合わせて判断してください。

ハイブリッド方式なら電気代も安く済みますか

常にそうとは限りません。同じ試験では、室温10℃のときにデシカント方式に切り替わるため電気代が1時間あたり17.9円と最も高くなりました。20℃と30℃では8.9円と9.3円で中間の水準です。低温時の電気代はデシカント方式と同等になると考えてください。

サーキュレーターは扇風機で代用できますか

洗濯物に風を当てるだけなら代用できます。ただしサーキュレーターは直進性の高い風を遠くまで送るよう設計されており、部屋の隅の空気を動かす、エアコンの風を部屋全体に回すといった用途では性能が違います。上下方向の首振りに対応した製品が多い点も、循環用途では効きます。

除湿機とサーキュレーターはどちらを先に買うべきですか

湿度を下げたいなら除湿機です。サーキュレーターは水分を取り除けません。ただし部屋干しの乾燥時間を短くしたい場合は、両方を併用すると効果が大きくなります。湿った空気を除湿機まで運ぶ役割をサーキュレーターが担うためです。

適用畳数はどう見ればよいですか

木造・鉄筋の2区分、または木造・プレハブ・鉄筋の3区分で書かれているので、自宅の構造に合う欄を見てください。プレハブは木造と鉄筋の中間の数値です。木造の数値は鉄筋の約半分になります。木造は隙間から湿気が入りやすいためです。数値の大きいほうだけを見て選ぶと能力不足になります。

部屋干しの臭いは除湿機で防げますか

乾燥にかかる時間が短くなれば、臭いの原因は減らせます。ただし洗濯物の間隔を空ける、厚手のものを端に配置するといった干し方の工夫と併用してください。除湿だけを強めても、重なった部分は乾きません。

タンクの水は何に使えますか

飲用や加湿器への転用は避けてください。空気中のほこりや雑菌を含んでいます。掃除に使う場合も、タンク自体の手入れを怠るとにおいの原因になります。基本的には捨てるものと考えてください。

扇風機は何年くらいで買い替えるべきですか

一律の年数はありません。ただし2009年4月1日以降に製造された扇風機には、長期使用製品安全表示制度により製造年と設計上の標準使用期間が表示されています。本体の表示を確認してください。期間を過ぎたら直ちに危険というものではありませんが、動きが悪い、異音がする、焦げくさい臭いがするといった症状があれば、期間内であっても使用を中止してください。

除湿機は電気代がかかるので窓を開けたほうがよいですか

外の湿度が室内より低ければ換気は有効です。ただし梅雨時や雨の日は外の湿度も高く、窓を開けると湿気が入ってきます。温湿度計で室内外を比べてから判断してください。

除湿機を24時間つけっぱなしにしてもよいですか

製品が連続運転に対応していれば可能ですが、タンクが満杯になると運転は止まります。長時間動かすなら連続排水に対応した機種を選び、排水ホースを排水口まで通してください。あわせて電気代も方式によって大きく変わるため、コンプレッサー方式かどうかを確認しておくと差が出ます。

まとめ

除湿機は水を取る機械、サーキュレーターは空気を動かす機械で、役割が違うため併用が前提になります。除湿機選びは方式選びです。コンプレッサー方式は気温が高いほど強く電気代も安い、デシカント方式は低温でも能力が落ちないがヒーターを使うため電気代が高く室温も上がる、ハイブリッド方式は安定するが低温時はデシカント方式と同じ電気代になる。北海道消費者協会の2015年の比較試験では、室温20℃で1時間あたりの電気代がコンプレッサー方式5.8円に対しデシカント方式16.1円と約2.8倍の差が出ています。この倍率は室温で変わり、10℃では約3.2倍、30℃では約2.3倍でした。使う季節で選ぶのがもっとも分かりやすい判断です。仕様では適用畳数を自宅の構造(木造・プレハブ・鉄筋)に合う欄で見ること、タンク容量と連続排水の有無を確認することが要点になります。湿度の目標は建築物環境衛生管理基準の40%以上70%以下を目安に、カビを考えるなら60%以下を狙ってください。そして扇風機やサーキュレーターは経年劣化による火災事故が現実に起きています。異音や焦げくささがあれば、その場で使用を中止してください。

冬に同じサーキュレーターを暖気の循環に使う場合は、組み合わせる暖房の方式によって効果が変わります。暖房側の選び方は電気暖房器具の選び方 暖め方3方式の違いと方式別の電気代、事故データで見る安全な使い方で整理しています。

出典・参考情報

厚生労働省 建築物環境衛生管理基準(居室の相対湿度40%以上70%以下、温度18度以上28度以下)/厚生労働省医薬・生活衛生局 建築物環境衛生管理基準等の見直しについて(令和4年4月1日施行の建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令の改正。WHOが平成30年に策定したガイドラインで冬期の高齢者の血圧上昇への影響を考慮し低温側の室内温度18度以上が勧告されたことを踏まえ、温度の低温側の基準を17度から18度に改正。一酸化炭素の含有率の基準値は10ppmから6ppmに改正)/板橋区 室内の空気環境 カビが好む環境(温度20℃前後、湿度60%以上で繁殖し、湿度が80%を超えると繁殖のスピードが速くなる。栄養源と発生しやすい場所)/北海道消費者協会 きらめっく No.92(2015年7月1日)「方式の違いで電気代に大差 除湿機の方式別性能」(3方式各1台の比較試験。室温別の除湿量、1時間あたりの電気代、除湿効率、本体重量、方式別の長所と短所)/製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全センター 扇風機及び換気扇の経年劣化等による火災事故の防止について(平成22年6月17日。平成16年度から20年度の5年間の事故189件、死亡2件、重傷3件、建物損害の火災85件、経年劣化が原因の事故が84件で44%)/経済産業省 長期使用製品安全表示制度(電気用品安全法。経年劣化による事故が多い製品への標準使用期間と注意事項の表示義務)/日本電機工業会(JEMA)長期使用製品安全表示制度の対象品目、衣類乾燥性能の自主基準JEMA-HD090:2017

逆に湿度を上げる側の機器については、方式ごとの電気代とタンクの衛生管理を加湿器の選び方 4方式の電気代と適用床面積の読み方、厚労省の指針が求める衛生管理で整理しています。

寝具の湿気とダニ対策については、乾燥させる工程と掃除機で吸う工程の役割分担をふとん乾燥機の選び方 3方式の手間の差と、ダニ対策で乾燥機が担える範囲で整理しています。

空気を清浄する側の機能(集じん方式・脱臭・除菌)については空気清浄機の選び方 集じん方式とPM2.5表示の読み方、オゾン発生のリスクまで整理するで整理しています。

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