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家庭用脱毛器の選び方 IPL・SHR・レーザー方式の違いと「永久脱毛」ではない理由

家庭用脱毛器には「IPL方式」「SHR方式」「レーザー方式」の3つがあり、それぞれ仕組みと向いている毛質・部位が異なります。さらに家庭用脱毛器は医療機器ではなく、医療機関で行う医療脱毛と比べて出力も抑えられているとされます。永久脱毛の効果は得られず、目的はあくまで抑毛・減毛です。電動シェーバーのようにその場で毛を切る道具とは違い、継続して使うことで毛を目立たなくしていく道具である点も理解しておく必要があります。この記事では「3方式の違い」「永久脱毛ではない理由」「日焼け肌に使えない理由と安全な使い方」を中心に整理します。

3つの脱毛方式の違い

方式 仕組み 特徴
IPL方式(インテンス・パルス・ライト) 幅広い波長の光を毛の黒い色(メラニン色素)に反応させ、毛先に熱エネルギーを与えてムダ毛を目立ちにくくする(メーカーFAQの説明) 広く使われている方式とされ、初心者向けとされることが多い。照射範囲が広くスピーディーにケアできる
SHR/THR方式(蓄熱式) 低温の光を連続照射する方式。メーカーは、毛を生やす指令を出すバルジ領域に働きかけると説明しています 産毛や日焼けした肌にも比較的対応しやすいとされる
レーザー方式(ダイオードレーザー) 単一波長の光をワキやビキニラインなど濃い毛に集中照射する 家庭用としては選択肢が限られる。濃く太い毛に向く

IPL方式は家庭用で広く使われている方式とされ、初めて家庭用脱毛器を使う場合はまず候補になります。産毛が気になる部位や日焼けしやすい肌質の場合はSHR方式、ワキやVIOなど濃く太い毛を重点的に処理したい場合はレーザー方式も検討対象になりますが、家庭用のレーザー方式は取り扱い製品自体が少ない点も踏まえて選ぶ必要があります。

家庭用脱毛器と医療脱毛の違い 永久脱毛ではない理由

家庭用脱毛器は医療機関で使われる医療用のレーザー脱毛機とは異なり、医療機器ではありません。出力も医療用より抑えられているとされます。毛根の組織を破壊して毛を生えなくする「永久脱毛」の効果は得られず、目的は毛を薄く目立たなくする抑毛・減毛にとどまります。パナソニックの光エステのFAQでも、医療機器ではないため永久脱毛とは異なり、お手入れを中止するとムダ毛の量は徐々に元に戻ると説明されています。業界団体の日本ホームヘルス機器協会が出している適正広告表示ガイド(平成30年度版)も、「光脱毛器」ではなく「光美容器」と表現し、医療機器にあたる表現は避けるよう求めています。パッケージや広告で「永久脱毛」と表記されている家庭用製品を見かけた場合は、表記の根拠を確認したほうがよいでしょう。しっかりとした脱毛効果を継続的に得たい場合は、医療機関での脱毛も選択肢になります。

厚生労働省の通知が示す、医療としての脱毛の線引き

厚生労働省の医政局医事課長通知(平成13年11月8日、医政医発第105号)は、用いる機器が医療用かどうかを問わず、レーザー光線などの強力なエネルギーを持つ光線を毛根部分に照射して毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為を、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生じるおそれのある行為と位置づけています。医師免許を持たない人が業として行えば医師法第17条に違反するとされています。

この通知が対象にしているのは施術を業として行う場合で、自分で使う家庭用機器を直接扱った内容ではありません。ただ、毛根の組織を破壊する行為が医療の範囲に置かれている点は、家庭用製品の説明で「永久脱毛」ではなく抑毛・減毛と表現されている理由を考える手がかりになります。

国民生活センターが整理したエステと医療機関の違い

国民生活センターは2017年5月11日の発表で、医療機関ではレーザー等により毛の発生源を破壊するなど高い効果が得られる一方、エステでは光の照射による一時的な除毛・減毛など医行為に該当しない範囲の施術しかできないと整理しています。同じ資料では、高い脱毛効果を得るにはバルジ領域にある毛包幹細胞を熱変性(破壊)する必要があるものの、毛乳頭や皮脂腺開口部などを破壊する行為は医行為にあたるため医療機関でしか行えない、と説明されています。

同じ発表によると、全国の消費生活センター等には2012年度以降の約5年間で、脱毛施術による危害の相談が964件寄せられました。内訳はエステが680件、医療機関が284件で、危害の内容は皮膚障害や熱傷が多くを占めています。インターネット調査では、脱毛後にやけどなどの症状が出た人の7割以上が、事前にリスクの説明を受けていませんでした。症状が出たと答えた255人のうち、起こり得るトラブルや副作用の説明を受けた人は67人(26.3%)にとどまっています。

危害の相談を施術の内容別に見ると、次のとおりです(事例を精査した件数で、1件に複数の施術が含まれる場合があります)。

施術を受けた場所 施術の内容別の危害件数
エステ(343件) 光脱毛229件、レーザー脱毛72件、電気脱毛31件
医療機関(214件) レーザー脱毛206件(96.3%)

これらは施術サービスの相談件数であり、家庭用脱毛器の事故件数ではありません。ただし、危害の中心が皮膚障害や熱傷であることは、家庭用機器を使う場合にも、取扱説明書のリスクや注意事項を事前に読み、照射レベルを低めから始める理由として押さえておく価値があります。本記事は制度の一般的な整理であり、医療上の助言ではありません。肌に異常が出たときは医療機関に相談してください。

日焼け肌に使えない理由と安全な使い方

光脱毛器はメラニン色素に反応する仕組みのため、日焼けした肌ではメラニンが過多になり、やけどのリスクが上昇するとともに照射効率も下がります。使用前に肌が日焼けしていないかを確認し、日焼け直後の使用は避ける必要があります。

家庭用脱毛器で多いトラブルは火傷で、主な原因として照射レベルを最初から高く設定すること、日焼けした肌への照射、同一箇所への重複照射、冷却が不十分なまま使用することが医療機関の解説で挙げられています。多くの取扱説明書では、低いレベルから試して肌の反応を見ながら調整するよう案内されています。お使いの製品の取扱説明書に従ってください。

照射レベル・冷却機能の見方

確認する仕様 選び方のポイント
照射レベルの段階数 段階が細かく分かれているほど、肌の反応を見ながら微調整しやすい
冷却機能 照射面を冷やせるほど痛みや熱感を感じにくい。痛みに弱い人は重視して選ぶ
照射口の形状 肌に直角に当てやすい形状だと照射漏れを防ぎやすい
最大照射回数 本体の寿命に関わる。使用頻度と部位の広さから逆算して確認する

店頭で試せる場合は、照射口を肌に直角に当てられるか、オートモードでスピーディーに照射できるかを確認しておくと、購入後にストレスなく続けやすくなります。

選び方・選定基準

  1. 目的の毛質・部位を決める。産毛が中心ならSHR方式、ワキ・VIOなど濃い毛が中心ならIPL方式かレーザー方式を検討します。
  2. 「永久脱毛」ではなく抑毛・減毛が目的であることを理解しておく。継続使用が前提の道具です。
  3. 冷却機能の有無を確認する。痛みに弱い人ほど重視したい仕様です。
  4. 照射レベルの調整幅を確認する。低いレベルから試せる製品を選びます。
  5. 最大照射回数と使用予定の部位の広さを確認する。全身に使うか部分的に使うかで消耗の速さが変わります。

よくある失敗・注意点

日焼けした肌にそのまま使用する

日焼けした肌はメラニンが過多になっており、やけどのリスクが高まります。日焼け直後の使用は避け、肌の状態が落ち着くまで待つ必要があります。

最初から高い照射レベルで使う

照射レベルを最初から高く設定することは、家庭用脱毛器のトラブルで多い火傷の主な原因の1つとされています。多くの取扱説明書では、低いレベルから試して肌の反応を確認しながら調整するよう案内されています。お使いの製品の取扱説明書に従ってください。

同じ箇所に重複して照射する

同一箇所への重複照射も火傷の原因として指摘されています。製品の取扱説明書に記載された照射間隔・部位ごとの手順を守って使用してください。

よくある質問

家庭用脱毛器で永久脱毛はできますか。

できません。家庭用脱毛器は医療機器ではなく、毛根の組織を破壊する医療脱毛とは異なります。目的は毛を薄く目立たなくする抑毛・減毛です。

IPL方式とSHR方式、どちらを選べばいいですか。

初めて使うならIPL方式が候補になります。産毛が気になる部位や日焼けしやすい肌質の場合は、SHR方式のほうが比較的対応しやすいとされています。

日焼けした肌には本当に使えませんか。

光脱毛器はメラニン色素に反応する仕組みのため、日焼けした肌ではやけどのリスクが上がり、照射効率も下がります。日焼け直後の使用は避けてください。

男性のヒゲにも使えますか。

ヒゲのように濃く太い毛は、産毛と比べて痛みを感じやすく、効果を得るまでに照射回数が必要になる傾向があります。製品ごとに対応部位・対応する毛質が記載されているため、事前に確認してください。

痛みが心配な場合はどうすればいいですか。

冷却機能を備えたモデルを選び、低い照射レベルから試すことで痛みを抑えやすくなります。照射時の熱感や刺激は製品によって差があるため、可能であれば店頭で試してから選ぶとよいでしょう。

使用をやめるとまた毛が生えてきますか。

永久脱毛ではなく抑毛・減毛が目的の機器のため、使用を止めると毛が戻ってくる可能性があります。効果を維持したい場合は、間隔を空けながらの継続使用が前提になります。

電動シェーバーと家庭用脱毛器はどう使い分ければいいですか。

電動シェーバーはその場で毛を切って処理する道具、家庭用脱毛器は継続使用によって毛を薄く目立たなくしていく道具です。すぐに剃りたい日は電動シェーバー、長期的に毛を目立たなくしたい部位には脱毛器、という使い分けもできます。電動シェーバーの選び方は電動シェーバーの選び方 往復式と回転式の違い、T字カミソリとどちらがいいかで扱っています。

まとめ

家庭用脱毛器を選ぶときは、まず自分の毛質・部位に合う方式(IPL・SHR・レーザー)を決め、冷却機能と照射レベルの調整幅を確認するという順番で絞り込むと迷いにくくなります。「永久脱毛ではなく抑毛・減毛が目的」という制度上の位置づけを理解したうえで、日焼け肌への使用を避け、低い照射レベルから試すといった取扱説明書の注意に従うことが、トラブルを減らす手がかりになります。肌に異常を感じたときは使用をやめ、医療機関に相談してください。

出典・参考情報

IPL方式・SHR方式・レーザー方式それぞれの仕組みと特徴、日焼けした肌が使用できない理由(メラニン過多によるやけどリスク・照射効率の低下)、家庭用脱毛器は出力が抑えられ永久脱毛の効果が得られないという医療脱毛との違いは、美容皮膚科クリニックや家電メーカー・美容メディアが公開している一般的な解説の整理にとどまり、公的機関が方式ごとの効果を示した資料に基づくものではありません。家庭用脱毛器で多い火傷の主な原因(照射レベルの初期設定・日焼け肌への照射・重複照射・冷却不足)は、複数の美容皮膚科クリニックの解説に基づいています。具体的な照射レベルや最大照射回数は製品ごとに仕様が異なるため、購入前に必ずメーカーの仕様表で確認してください。/厚生労働省医政局医事課長通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日、医政医発第105号)、独立行政法人国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」(2017年5月11日公表)。医療としての脱毛の位置づけと、脱毛に関する相談の傾向を参考にしています。/パナソニック 光エステのよくあるご質問(効果、使用できる肌の色)、一般社団法人日本ホームヘルス機器協会「家庭向け美容・健康関連機器 適正広告表示ガイド」(平成30年度版)。IPLの仕組みについてのメーカーの説明と、家庭用機器の広告表現の考え方を参考にしています。

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